この記事でわかること
- 化粧品の口コミで信頼される場所が、Instagram からレビュー専門サイトへ移っていること
- その変化が、回答者の年齢構成の違いによる見かけではないこと
- 口コミそのものへの依存は、むしろ強まっていること
信頼される場所が、Instagram からレビュー専門サイトへ移った
結論は、口コミを確かめる場所が変わったということです。弊社が2022年と2025年に実施した消費者動向調査で、「最も信頼できる SNS・レビューサイト」を1つだけ選んでもらったところ、上位の顔ぶれが入れ替わりました。
2022年の調査は n=636、2025年の調査は n=268 です。
| 媒体 | 2022年の構成比 | 2025年の構成比 |
|---|---|---|
| 35.4% | 20.9% | |
| @cosme | 25.2% | 31.0% |
| LIPS | 15.4% | 27.6% |
| X / Twitter | 10.5% | 7.1% |
| YouTube | 7.9% | 11.5% |
| 기타 | 5.0% | 1.5% |
| TikTok | 0.6% | 0.4% |
Instagram は 14.5 ポイント下がりました。いっぽうレビュー専門サイトの2つ(@cosme と LIPS)を足すと、40.6% から 58.6% へ 18.0 ポイント上がっています(n=636 と n=268)。3年足らずで、上位3つの順番が丸ごと入れ替わった形です。
選択肢の一覧は年によって違います。2022年は29種類、2025年は10種類でした(n=636 と n=268)。表記のゆれ(@cosme と @コスメ、Twitter と X)は同じものとして足しています。2022年の下位23種類は合計で 5.0% だったため、上位の比較は成立すると判断しました。割合は四捨五入すると合計が 100% を外れるため、端数の大きいものから配分して合計を 100.0% に揃えています。
年齢の構成が変わったせいではない
結論は、若い回答者が減ったことでは説明がつかないということです。2つの調査は回答者の年齢構成がずれており、24歳以下の割合が 12.3% から 3.8% に減っていました(n=634 と n=266)。Instagram は若い層に強いので、この構成の違いだけで下落を説明できてしまう可能性がありました。
そこで、両方の調査で最も人数の多い 25〜34 歳だけを取り出して数え直しました。2022年は n=300、2025年は n=129 です。
| 媒体 | 2022年の構成比 | 2025年の構成比 |
|---|---|---|
| 36.6% | 24.8% | |
| @cosme | 21.0% | 27.9% |
| LIPS | 14.7% | 27.1% |
| X / Twitter | 15.0% | 7.7% |
| YouTube | 6.7% | 10.9% |
| 기타 | 5.3% | 0.8% |
| TikTok | 0.7% | 0.8% |
同じ年齢層だけで見ても、Instagram は 11.8 ポイント下がり、レビュー専門サイトの2つは合計で 19.3 ポイント上がりました(n=300 と n=129)。向きも幅も全体の数字とほとんど変わりません。年齢構成の違いによる見かけではないと判断できます。
口コミへの依存は、むしろ強まっている
結論は、場所が移っただけで、口コミを読む行動そのものは減っていないということです。数字はむしろ強まる方向に動いています。
「商品レビューが1つもない商品は、買うのをためらってしまう」という設問への回答です。2022年は n=636、2025年は n=268 でした。
| 回答 | 2022年の構成比 | 2025年の構成比 |
|---|---|---|
| 当てはまる | 68.1% | 75.0% |
| どちらともいえない | 25.8% | 20.1% |
| 当てはまらない | 6.1% | 4.9% |
「購入検討している商品の口コミの数は、実際の購入に影響を与えていますか」という設問でも向きは同じでした。「影響を与えている」が 72.2% から 77.2% へ増えています(n=636 と n=268)。
つまり、口コミを用意しなくてよくなったわけではありません。用意した口コミが読まれる場所が変わった、という話です。どこに何件置くかの設計については、モニター施策の資料にまとめています。
この数字をそのまま一般化できない理由
結論は、回答者が一般の購入者ではないからです。この調査に答えているのは弊社のモニターに登録している方々で、商品を受け取ってレビューを書くことに積極的な層にあたります。
ですから「レビューが無いとためらう人が 7 割を超える」といった水準の数字を、そのまま世の中全体の割合として読むことはできません。実際の数字はもっと低いはずです。
いっぽうで、2022年と2025年はどちらも同じ母集団から取っています。だから水準よりも、変化のほうが信頼できます。この記事で変化を中心に書いているのは、そのためです。
調査の時期は2022年4月から5月と、2025年1月から2月です。間隔は2年9か月で、ちょうど3年ではありません。
よくある質問
Instagram はもう使わなくてよいのですか
そうではありません。商品を知るきっかけとしての役割と、買う直前に確かめる場所としての役割は別のものです。この調査で下がったのは後者にあたります。
レビュー専門サイトに力を入れれば済みますか
置く場所を変えるだけでは足りません。レビューが1つもない状態をためらう人が増えているので、読まれる数を確保することが先になります。
この調査の詳しい内訳は見られますか
設問ごとの内訳は弊社で保管しています。必要な場合はこちらのフォームからご連絡ください。
Comment